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国分寺市不登校を考える親の会(さくら草の会)

通信241号 2025 3月22発行

次回の定例会は4月26日です。定例会は第四土曜日、2時から4時。会場はひかりプラザです。地域を問わずどなたでもご参加ください。参加無料、予約も連絡も不要です。

事務局 石井ひろ子042-502-7558(留守電にメッセージを入れてください。おりかえします。) 

  

教育フォーラム「不登校を考える」

不登校・ひきこもりと地域に求められるもの

~子どもと歩む保護者たちの思いに寄り添って~

【日 時】2019年1月26日(土)午後2時~4時30分

【会 場】ひかりプラザ(203、204号室)

【講 師】広木 克行さん (神戸大学名誉教授)

【参加者】73名

 

講師:国分寺市で話をさせていただくのは初めてだと思います。こうして皆さんのお顔を拝見すると前にもお会いしたなという方も何人かおられますが、全く初めての方が大半だと思います。今日は講演のサブタイトルにありますように「子どもと歩む保護者たちの思いに寄り添って」という私にとっては大変重いタイトルなのですけど…。

 

不登校の親の会との関わりはじめ

私が最初に不登校の親の会とかかわったのは、長崎の大学にいたときでした。もう30年前になります。それまでこのフォーラムと同じような、市民の方との集いというものをやっておりまして、父母と教師、お互いが子育て、教育のパートナーであるはずなのに、その間のつながりがなかなかうまくいかないという悩みを抱えた親たちとともに、今学校はどうなっているか、今子育てはどうなっているかを学び合う「教育のつどい長崎」というのを10年以上やっていました。その中から不登校に悩む子どもたちが非常に多いということがわかってきて、「不登校の親の会」を立ち上げて、親の皆さんから学びながら不登校について発言できるように本格的に研究を深めていきたいと考えて始めたのが30年前、1989年のことでした。

今年がちょうど30周年なのですが、長崎にいるときは毎月、そして東京にいる今はだいたい2、3か月に一度は長崎の親の会で皆さんのお話を聞き、私が学んできたこと、そして私が率直に感じたことをお伝えして、子ども理解とともに親としては自分自身をどう理解するのかということを深めるという気持ちで皆さんと一緒に今日まで歩んでまいりました。その意味では研究というよりも臨床的な、相談の場で皆さんのお話を聞きながら考え、その蓄積を基にまた考えるというのが私の方法です。今日お話しする中には長崎や東京は勿論、全国の親の会で聴かせて頂いた事例にも触れながら、抽象的な話にならないように頑張ってお話ししたいと思います。

 

データから見えてくること

最近不登校に関する様々なデータが出されています。去年の10月には文科省から、いじめがものすごく増えているというデータとともに、子どもたちの不登校もかなり増えているというデータも報告されました。ここにデータを持ってきたのですが、いじめが史上最多で41万件という数字が出てきてそれで皆さんすごく驚いたようです。しかし不登校の子どもたちの問題から考えると、このいじめの41万件という数字も実は氷山の一角ではないかと思いたくなるほど、今の学校現場は非常に子どもたちにとって過ごしにくい場所になっているようです。

先程も触れましたようにこのデータの中には不登校の数字もありまして、小中学生で14万人と出ています。1年前はというと不登校は13万人でしたから一年間で小中学生の不登校が1万人増えています。さらにその1年前には12万人台と記録されています。文科省が決めた不登校の基準に従って不登校と認定された子どもの数が毎年約1万人ずつ増えているというのが最近の特徴です。ですからこの14万人という数字がもうピークまで来ていてこれからは減っていくだろうとみられる数字なのか、それとも来年はさらに不登校の子どもが増えていくのか、私たちの一つの大きな関心事にもなります。

ところがこうした数字の他に最近さらに別の数字が出てきました。毎日新聞と他の数紙が取り上げてくれたのですが、日本財団が不登校新聞と協力して中学生の不登校気味の子どもたちの調査をしたそのデータです。これは先生に聞くということではなくて、インターネットを通じて直接子

どもたちからアンケートをとるという方法で6,000人以上という、アンケートとしてはかなり確率の高い、母数の多い調査です。その結果何がわかったかというと、中学校だけで、不登校ないしは不登校気味といわれる子どもたちが33万人いるという数字が出てきました。文科省の統計では小中学生で14万人、中学生だけでだいたい10万人くらいといわれています。ところがこちらの統計でみると不登校、ないしは不登校気味といわれる子どもたちはその3.3倍になっているのです。

14万人というのは氷山の一角でその下のすそ野はかなり広いのではないかと先ほど触れましたが、このデータを見るとまさに不登校、不登校気味の子のトータルの数、つまり不登校として親たちが本当に心配している子どもたちの数は33万人をおそらく超えるだろうと考えられます。(つづく)

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