国分寺市不登校を考える親の会(さくら草の会)
通信246号 2025 8月23発行
次回の定例会は9月27日です。定例会は第四土曜日2時から4時。今回、会場は光公民館です。地域を問わずどなたでもご参加ください。参加無料、予約も連絡も不要です。
事務局 石井ひろ子042-502-7558(留守電にメッセージを入れてください。おりかえします。)
さくら草の会より緊急のおしらせ 7,8,9月の定例会は会場の都合でひかりプラザがつかえなくなりました。7月は臨時の場所へ移動して、行いました。8,9月は光公民館で行います。
教育フォーラム「不登校を考える」
不登校・ひきこもりと地域に求められるもの
~子どもと歩む保護者たちの思いに寄り添って~
【日 時】2019年1月26日(土)午後2時~4時30分
【会 場】ひかりプラザ(203、204号室)
【講 師】広木 克行さん (神戸大学名誉教授)
【参加者】73名
(前回のつづき)私は『他人に決められた課題をこなす能力』ではなく、『自ら考えて行動する能力』を伸ばすことが、未来をつくる鍵だと考える。(中略)
時代にあった教育とは、私よりも知識も経験も豊富な大人たちは大切なことである教育について、今一度しっかり考えて欲しい。
政治家の子どもが政治家になるようなこの世の中では、変化することが嫌われるのかもしれないが、それでは明るい未来はないと思うのだ。」*2
こう中学生が書いているのです。私はもちろんこれがすべてだというつもりはないのですけれど、この子どもたちが考えている姿は、テレビを見ていると毎日のように映ってきます。だって小学生の囲碁士とか中学生の卓球選手とか、「あの子たちはこんなに世界に出かけて学校はどうなっているのだろう? あの子たちの勉強ってどんなカリキュラムなのか? こんなにしょっちゅう世界試合であっちこっち行っているのに欠席扱いにならないのだろうか?」と皆さんは考えないですか? だったら「僕はこんなことが好きなのだから、こんな時間割がほしい」というふうに必要なものがあったらそれに合わせられるはずなのですね。だって実際に卓球、サッカー、将棋とかいろんな子どもたちがその子の持っているスポーツや様々な競技の特性を生かして自分を伸ばすことを受け入れられているわけですね。それでカリキュラムが成り立つ、それを子どもたちはテレビを通して毎日見ていて、それに喝采している大人たちの姿を見ているのです。
それなのに私たちは何時までに学校に行かねばならないし、何時までに何々せねばならぬし、その通りやらないと勉強したことにならない。「なんでだろう?」と考えるのはとっても自然なことです。だから他人に決められた課題をこなすことが求められている自分ではなくて、本当に自分が考えて行動する、取り組みたいこと、そこに取り組むことを保障できるようなそんな学校のあり方があるのではないか? これはきわめてリアルな子どもたちの疑問なのです。こんなふうに今の学校と子どものミスマッチ、その中で考えている子どもたちの思いは、我々大人が考えているよりももっとリアルだし、実はもっと深い。そんなことがあるということを皆さんには理解してほしいと思います。
ミスマッチ状況に疲れて学校に行けなくなった子どもたちが不登校に
私は相談にみえたお母さんたちに「学校に行かない状況はわかりましたけど、お子さんが口にした一言、気になる一言を教えてください」と聞きます。すると本当にお母さんたちは悩みながらお子さんの言葉を聞いていらっしゃるから、本当に大切な言葉が出てくるのです。それを頼りにしながら、今の子どもたちの悩みや不安や疑問を読み解いて行きます。
「その疑問、君の気持ちは決しておかしくないよ。そういう疑問をもって当然だと思うし、よくそんな疑問にたどり着いたね。今自分で勉強したいならしたっていい、家でやったらどう?」そんなふうに話していくと子どもたちは見事に元気になるのです。
いまの子どもたちの声を聴きながら、先ほど言った学校と子どものミスマッチ状況、それに対して子どもたちが異議を申し立てたいのだけれどそれを申し立てる方法がない。耳を貸してくれる大人たちが少ない。そんな中で子どもたちがついに心深く疲れ切ってストレスを溜め込み、学校に行けないという状態になって助けを求めているのが不登校という問題ではないかと思うのです。
症状があるから学校にいけないのではない
ただそのように子どもたちを考えられる人がいる一方、残念だけどそうではない傾向があるのです。それは子どもたちが学校に来て何かぽつんと一人でいたり、または何か思いがけぬ言葉を口走ったり、そんなことをすると子どもがおかしいのではないかという、子どもに問題があるかのように考える、そんな流れが一つあるのです。(次回につづく)